POV-football blog ‐サッカーのミカタ-

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サッカー・フットボール・蹴球と呼び方はそれぞれあれど、その見方を中心に、戦術・技術・組織論を展開していきます。

2018ロシアW杯開幕|ロシア×サウジアラビア戦はじつに示唆に富む開幕戦でした

さてさて。

ついに開幕したW杯ロシア大会2018、開幕戦はロシア×サウジアラビアのカード。

 結果は、5-0で開催国ロシアの大勝。開催国のプレッシャーというか大統領のプレッシャー(殺気)がすご過ぎて監督・選手・スタッフ一同も120%の超フルパワーを投入せざるを得なかったと思われるほどのアツイ試合内容でした。

最新のFIFA国際ランキングでは、ロシア70位、サウジアラビア67位とほぼ同レベルなのになぜこんなに実力差が?と思われるでしょうが、からくりがあります。ロシアは開催国なので予選は免除されています。だから練習試合でチームを鍛えるしかないわけです。

強くなるためには強い相手とやるしかない、というわけでロシアは強豪国との練習試合を繰り返した結果、負けが込んでしまったのです。必然的にFIFAランキングは下がりますが、その落ち込みとは反比例して実力を蓄えてきたというが実情です。

fifaranking.net

デュエルとインテンシティーに優れたロシア

そのロシアですが、実力的なランキングでいえば、3月の親善試合で日本が負けた(1-2)ウクライナ(35位)と同等かそれ以上あたりかなと。もちろん開催国アドバンテージでブーストアップされてもいますから、体力が続けば強豪国とも競った試合ができるレベルかと思います。

さて、思いのほかスコアに差のついたロシアとサウジアラビアの違いはと言えば、それは《デュエル=1対1(byハリルホジッチ)》、《インテンシティー=強度(byザッケローニ)》の差でありました。単純にロシアは多く・速く・強く走り、1対1で負けなかったということです。

ロシアの選手たちは前線から追い込みをかけ、相手をなぎ倒さんばかりにチャージを仕掛け、チャンスとみれば肉離れを起こすくらいの強度で全力ダッシュを繰り返しました。もちろん組織が整った守備など戦術的にも優れていたのですが、1対1の強さと走力の点においてサウジアラビアはかなり見劣りしました。

日本代表強化のカギ

さて、ここで我らが日本代表について。アジア予選ではサウジアラビアと対戦し1勝1敗の成績でした。ハリルホジッチから西野監督に代わってチーム力が数倍になったわけでもないので、日本代表の力はサウジアラビアとそんなに変わらないと考えて差し支えなさそうです。FIFAランキングも61位と同じ60位台ですし。

日本の入っているHグループのFIFAランキングを挙げておくと、ポーランド8位、コロンビア16位、セネガル27位、日本61位と正直言って格上ばかりです。○ラゴンボールではありませんが、3倍界王拳とか使わないと勝てないレベルです。もちろんそんな都合のよい漫画設定は現実にありませんが、いちおう現実的な手段ならあります。

それがロシア代表が示した《デュエル》と《インテンシティー》です。1対1で競り負けず、相手よりも多く・速く・強く走ることができれば、3倍界王拳くらいのブーストアップはできるでしょう。ハリルホジッチザッケローニも選手たちに実装できなかったわけで、簡単にはいきませんが、日本人選手に足りないものをじつに的確に捉えていたのは事実です。前者は嫌われ、後者は諦めてしまったわけですが。

8年かけてできなかったことが今日できれば、苦労はありません。しかし、やる気とコンディション次第でできるのは《走ること》と《競ること》。いまさら技術が3倍向上したりはしないわけで、気合と体調を充実させ量・強度を高めてほしいものです。グループリーグを突破した2002年も2010年も選手は凄く走っていたし、ガツガツ潰しにいってましたからね。

最近サッカーの話をすると、3バックと4バックどっち?とか、ポジショニングがどうだとか、どの選手とどの選手を組み合わせるかといった話題になりがちですが、全員死ぬ気でスゲー走って、スゲー競り合って、諦めなければ、体力が続く限りいい勝負はできます。交代選手もいますしね。

そういうシンプルな発想を思い出させてくれたロシア×サウジアラビア戦はじつに示唆に富む開幕戦でした。グループリーグの勝敗予想は、けっこう迷ってますのでまたの機会に。

ではでは。


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