POV-football blog ‐サッカーのミカタ-

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サッカー・フットボール・蹴球と呼び方はそれぞれあれど、その見方を中心に、戦術・技術・組織論を展開していきます。

ハイチ戦評とダメなシーンを解説

さてさて。

NZ戦に続いてのハイチ戦。

ハイチのFIFAランキングは48位(日本は40位)なので同格とのテストマッチということになるでしょう。なんだかメディアは格下扱いしてましたけど、同格の対戦相手です。日本だって2017年の初頭は50位台をうろついてましたからね。

テレビはいつも代表戦を煽りまくるので、よくサッカーを知らない人は日本が強豪国だと勘違いするんではないでしょうか。たとえばロシアW杯出場国数は32。日本はFIFAランキング40位。実力的にはどん尻クラスと言っても過言ではないのですが。

ハイチ戦評

とくに良かった点は見当たらず、悪い点ばかりが目についた試合だったと思います。そして代表レベルでは難しいかなと判断されてもしょうがない選手が何人かいました。とはいえ新しい選手を試すにしても、こんなに大量に同時起用する必要性があったのかは疑問です。3−3の引き分けはまあ妥当な結果でしょう。

監督は「恥ずかしい試合」と選手にキレていたようですが、長友選手以外レギュラー組が見当たらないメンバー構成ではそもそもチームとして機能しないのは当然でしょう。ですから《使える/使えない》選手の見極めを目的とすべきであり、その意味では収穫があったのではないでしょうか。

たとえば小林選手は継続して起用していけばもっと活躍できるのではと希望を抱かせるパス捌きを見せていました(守備にかなり改善の余地あり)。反対に東口・槙野・遠藤選手は厳しいかなと。車屋選手は自分が出せていないので、次回も試してみる価値はありそうです。

あと、海外組の浅野選手についてなのですが、プレー判断が非常に悪いのが気になりました。ペナルティエリア付近で後ろ向きでボールを受け、そのままターンしてシュートまで行けたのに、後ろを確認することなく、バックパスで戻してしまうなどの残念な判断が多かったように思います。

ともかくこのテストマッチの目的は普段起用しない選手の見極めであって、勝敗ではないのです。それと、普通は新戦力は2-3人に留めて慣れさせるものだけれど、ハリルは一度に圧縮しすぎました。マネジメント下手が露呈したということも解説に加えておきたいと思います。

ダメなシーンの解説

日本代表にはレギュラー組/サブ組に関わらず「それをやっちゃいかんだろ」というプレー(判断)が見られます。以下の動画はその典型例です。

[7分38秒からのシーン]

1.ボールを受けた倉田選手(青○)がドリブルで前方へボールを運ぶわけですが、前方に2人+後方に1人味方がおり、パスコースは十分に確保されています。

2.倉田のドリブルに相手選手がくらいついてきて、競り合う形になります。同時に後方の選手(赤○)が倉田を追い越そうとします。

3.倉田がボールを奪われ、追い越した選手も含め置き去りターンオーバーをくらいます。

後ろから追い越しにかかったのは長友選手ですね。それにしてもあり得ない判断です。この場合、長友選手の正解は倉田選手の後方に位置取ることです。そうすることで、倉田選手は後方へのパスコースを確保できるし、ボールを奪われたときには長友選手がすぐにチェック行けますから。

このシーンで長友選手は何を考えて倉田選手を追い越しにかかったのか。日本代表はこの手の判断ミスが非常に多いです。原則として、サッカーは11人がそれぞれ被らないポジションをとらなくてはいけません(とくに攻撃時)。そうすることでパスコースが増えるからです。

パスコースはボールホルダーの(斜め)前方・後方・横の3方向に、適切な距離をもって確保されるべきなのですが、長友選手のこのプレーは、明らかに《パスコースを減らす》動きです。しかも味方のとても近い距離を追い越そうとすることで《プレースペースを潰す》動きにもなっています。被りまくってます。

さらには、《味方がボールを奪われるというリスク》を無視した結果、4人まとめて置き去りにされるという最悪の結果を引き出してしまいます。テレビの解説者はこういうプレーのどこがダメなのかちゃんと解説してほしいものですね。こういう時は「寄っちゃダメ」なんですよ。

「長友すごく走る!」だとちょっと頭が悪すぎると思います。

ではでは。


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