POV-football blog ‐サッカーのミカタ-

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サッカー・フットボール・蹴球と呼び方はそれぞれあれど、その見方を中心に、戦術・技術・組織論を展開していきます。

サッカーのそもそも論と構造論(1)‐サッカーに正解はない‐

さてさて。

かれこれ25年ほど、サッカーをプレイ&ウォッチしているけれど、振り返ってみれば「サッカーとは○○という競技なのだ」という定義や構造や筋立てを誰にも説明された記憶がない。

たとえば、どんな本にも目次があるように、サッカーというものを学ぼうとすれば、そこに目次があり、章があってしかるべきなのだろうけれど、残念ながら構造的にサッカーを説いてくれるような指導者には出会わなかった。

運がなかったということもあるだろうけれど、「そもそもの前提」というものは、なかなか話題にしづらいということもあるのだろうし、「そもそも論なんかどうてもいいから、まずやってみろよ」というのも一つの真実かもしれない。

とはいえ、何かを理解するには、多少のそもそも論と構造的理解が必要なんじゃないかと思う。

というわけで、今回は、あまり話題に上らない「サッカーってそもそもどんなもんなんだい?」というお話。

 

試合中にやるべきことがわからない

昔々、中学生になったばかりの頃、ど素人の状態でサッカー部に入り、言われるがままに練習をやっているうちはいいのだけれど、いざ試合になると何をどうすれば良いのかさっぱりわからないという状態にたびたび陥ったものだ。

あまりにも為すべきことが曖昧なため、最終的にはボール恐怖症になって、あろうことか「ボールよ来るな!」と念じるようになってしまった。

だって、やるべきことがわからないうえに、失敗して怒られるのは嫌じゃないですか。 鈍くさかったというせいも多分にあるだろうけれど。

とにかく中学3年間は、いつも試合中は「ボールよ来るな!」と念じていたし、顧問の先生から「違う!」と駄目出しをくらい続けていた記憶しかない。

と同時に「正解って何なんすか?」と憤慨混じりの疑問を抱え続けていたわけです。

 

サッカーの特徴とは

「サッカーに正解はない。ただ勝利に向かって困難を解決しようとする意志と行動があるだけだ。」

この言葉は、伝説的な名手である誰かの名言、、、ではなく、僕がねつ造した戯言だけれども、ざっくりとしたサッカー理解には役立つのではないかと思う。

サッカーというスポーツの特徴はいくつかあるのだけれど、

  1. GK以外は手をつかってはいけない
  2. 攻守の境目がなく流動的
  3. 得点が少ない
  4. 11人対11人で行うチームスポーツである

 

この4点くらいに集約できるのではないだろうか。

もう一つ、「オフサイド」という重要なルールに触れないわけにはいかないが、これはコクと香りを深めてくれるスパイスのようなものであって、素材ではないだろう。

話を戻すと、「サッカーに正解はない」ってことを説明するのが、この章での目的なのだけれど、もう少し補足が必要なので、続けます。

 

サッカーに必要な2つの能力

さて、この4点+スパイスで成立しているスポーツを上手く行うためには、以下の2点が重要になる。

  1. 手以外を使ってボールをコントロールする技術(主に足を使って)
  2. 流動的な状況を把握して、自分の行動を決定する「認知→判断プロセス」の精度

 

1.についてはわかりやすいと思う。 ボールをピタッと止めたりとか、正確で強いキックが蹴れるとか、ドリブルで相手を抜き去るとか、まあそういうことだ。漢字で表現すると「身体操作能力」っていうやつですね。

対して、2.については、かなりわかりにくい。 「認知→判断のプロセス」なんて言うと堅苦しいけれど、要は、頭の中で何を考えているかってこと。

「この状況だったらこうした方がいいよね」とかそいう感じのことです。

で、僕が抱えていた「正解って何なんすか?」という疑問への答えは、「この状況だったらこうした方がいいよね」という感じの中にあったわけだ。

で、この感じの精度は、「セオリーの知識+経験」で高まるわけだけれど、そもそもセオリーを教えてもらっておらず、「認知→判断プロセス」が試される練習も行われていなかったために、鈍くさい僕は、試合中に何をすれば良いのかが全くわからなかったわけだ。

公式を覚えていない状態で、二次方程式解けって言われても、それは無理があるだろう。

関数知らないでエクセル使っても、罫線の色とか太さを変えるのが関の山だろう。

話を戻すと、「サッカーに正解はない」ってことを説明するのが、この章での目的なのだけれど、もう少し補足が必要なので、続けます。

 

サッカーに正解はない

ようやく結論に近づいてきた。

整理しておくと、前章では、「認知→判断プロセス」の精度は、「セオリーの知識+経験」によって高まるという話をした。

でも、そこでサッカーの特徴の「2.攻守の境目がなく流動的」という点が待ったをかける。

敵味方合計22人が、休みなく流動的に入り乱れるわけだから、状況そのものは当然のように混沌としていて、同じ状況が発生することはまずない。

ある状況にあるとき、選手は「セオリー+経験」で「認知→判断」を行うわけだけれど、相手の出方によっては、セオリーと逆のことをやらなくてはいけない場面もある。

からしいやり方があっても、その場面々々で、その都度々々、「認知→判断」を行う必要があるわけだ。

かように、サッカーに正解はないのである。

と、ちまちま「そもそも論」を書き進めてきたけれど、なんだか、新卒1年目の新人に仕事論を語る、うだつが上がらないウザい先輩のような気持ちになってきたので、今回はこのへんにしておきます。

ではでは。

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